歯科について
動物も人間と同様に歯周病や口内炎など、さまざまな口腔内のトラブルが発生します。症状が悪化すると食事だけでなく水も飲めないほど痛むことがありますし、歯周病の炎症によって顎の骨が溶けて骨折しやすくなることもあります。さらに、歯周病菌は血液を経由して心臓や肺などの内臓に到達して重篤な疾患を起こすことも知られています。そのため、大きな病気にかからないように、定期的に歯石の除去を行うなどの予防に取り組むことをおすすめします。
主な歯科の疾患
乳歯残存に伴う不正咬合
犬、猫の場合は一般的に生後4ヶ月〜6ヶ月齢で乳歯が永久歯へと生え変わります。しかし、乳歯が上手く抜けずに遺残したり(乳歯遺残)や永久歯が正しく萌出しない場合(位置異常や埋伏歯)には不正咬合が生じ、これが歯周病のリスクが高めてしまいます。当院では乳歯をただ抜くだけではなく、適宜レントゲン撮影を行いながら、欠歯や埋伏歯のチェック、永久歯での噛み合わせを考慮した外科矯正などの歯科処置も行っています。これらの処置は生後6ヶ月頃に行うことが望ましいため、避妊や去勢手術を同時に行うことも多いです。
歯周病(歯石・歯肉炎・歯周炎)
犬や猫は誕生後4~6ヶ月程度で乳歯が抜け、永久歯が生えてくることが一般的です。しかし、中には生え変わりが上手くいかず、乳歯が残ってしまうケース(乳歯残存)や、不正咬合が生じることがあります。このような場合、歯周病が重症化するリスクが高いことから抜歯が検討される例も少なくありません。時期としては生後半年頃に行うことが多く、去勢・避妊手術と合わせて行うと動物の身体への負担を減らすことができます。
歯の破折
動物は人間が手で行うような動作を口で行うこともあって、硬いものが歯に当たるなどして歯が折れることがあります。破折によって歯の神経が露出すると感染も起こりやすく、歯髄炎を起こして激しい痛みが伴うケースも少なくありません。もし、飲食をしにくそうにしていることがあれば歯髄炎の疑いもありますから、早めに当院にご相談ください。
治療としては、神経の治療か抜歯が候補に上がりますが、当院ではそれぞれの動物の状態を踏まえて、できるだけ長期的な観点から提案を行います。
顎の骨折
事故などで強い衝撃を受けた場合や、歯周病が重症化している場合には顎を骨折することがあります。顎を骨折すると難易度が高い治療が必要ですが、当院では、大学の動物病院や提携動物病院と連携して治療を進めます。
口腔内腫瘍
口の中の腫瘍は悪性のものが多く、時間が経過するほど悪化するので、できるだけ早期に発見し、早めに治療することが重要です。気になる症状がある場合ももちろんですが、特に症状が無い段階でも定期検診を受けることをおすすめします。
歯科処置
全臼歯抜歯
口腔内腫瘍
デンタルケアについて
3歳以上の85%の犬と猫が歯周病の問題を抱えていると言われています。歯周病の原因となる歯石の沈着の予防が大切です。歯石の元となる歯垢(プラーク)の除去のために、歯ブラシによるブラッシングとデンタルジェルの使用をお勧めします。
当院で作成した歯磨きのパンフレットをお渡しします。また、院内でおすすめのデンタルジェルと歯ブラシを販売していますので、ご興味のある方は獣医師・スタッフまでお気軽にお問い合わせください。